POKKUN's Life

クワガタ・ゲンゴロウ・小動物飼育など

情報公開の難しさ


昨日の『里山民家』の風景

先日公開を取りやめたあるゲンゴロウの飼育記について、正式に無期限延期とすることを決めました
ここ数日間の間に様々な憶測があったことと思いますが、このまま無かったことにしたくはないのでここでしっかりと真相を記そうと思います



小動物を飼育するにあたっては色々なものが必要です

器具や配合飼料のように、ペットショップで購入出来るものですべてまかなえるものもいれば、自力で採集してこなければならないような生き餌を必要とするものもいますねw

今回取りやめた最大の理由は、この自分で採集しなければ用意出来ない生き餌についての問題が大きく影響するからでありました


現在、日本の豊かな自然は便利な生活を得た代償として急速に失われています
しかし昨今そのことに気づき、再び豊かな自然を取り戻そうと様々な方々が努力をされています
それは決して難しいことばかりではありません
日々のゴミを分別したり、少しの意識で出来ることだってたくさんあります

そんな方々のおかげで、以前は何も住めなかったような場所にも少しずつ生き物たちが戻ってきているところもあるでしょう
以前このブログで紹介した『里山民家』なども、そんな自然を愛する人々によって作られた、日本人の心温まる風景を復活させた場所です



雑木林に囲まれ植生も豊かに見えるが生き物の姿は…

しかし人間が汚してしまったその傷跡は深いのでしょうか、同じようには見えても保全され続けてきた豊かな場所と比べると、生き物の種類、数ともに圧倒的に少ないのが現状です
引き続き定期的な管理活動が行われていったとしても、元の生態系に戻ることは難しいのかもしれません


では真相に参ります
ニホンアカガエルのおたまじゃくし
絶滅危惧種に指定している都道府県が多数ある

今回、急遽非公開にしたのは、ある方からの助言によるものでした
多くを語らない彼の真相が知りたかったおいらは答えを探すべく、先日公開したあるゲンゴロウ保全する活動を実際に行っている方々と、日頃は重い腰を上げ、直接お会いしに行ってきました
またその場ではまだ自分自身の主張を十分に伝えきれていないと思ったので、再び深夜に電話なんかしたりして、本当に面倒くさいやつですm(._.)m


最初は、

保全活動をしているから下手な情報開示をして欲しくないのだろうか?」
「その生き物を保全するためなら他の生き物はどうなってもいいのか?」
「自分自身それなりの考えに基づいて書いていることなのに何が問題なのだろう?」
表現の自由は束縛されるものではない」o(`ω´*)o

なーんて考えたりもしました
しかし、それは間違いでした
少なくともこの保全会の方々は全ての希少動物の行く末を見据えていたのです


以前の採集記で大量のおたまじゃくしを採集してきたのは、このおたまじゃくしは今回公開をやめたゲンゴロウの餌としてとても必要なものだったからでした
したがって、食べるかどうかもわからない餌としてとりあえず採集してきたわけではなく、かけがえのない糧として役立ってもらったということを書き記した上で、それほどまでにたくさんの命の上にしか成り立つことができない生き物が今、絶滅に瀕している現実を書こうとしていました

しかしこれは言い換えると、個人で飼育する場合、多くの野生生物を捕獲してこなければ成り立たないという図式が出来上がるわけです

それが、誰の目から見ても絶滅がありえないような生き物(ゴキブリくらいか?)であれば問題はないのかもしれません
または、自家繁殖が容易で、ペットショップでも繁殖個体が容易に購入出来るようなものであれば自然界への干渉はごくごく限られたものになるでしょう

しかし、今回のおたまじゃくしのような自家繁殖が難しい生き物ではそうはいかないのです
ましてや、現在絶滅の恐れがあるといわれている生き物に該当するものであれば、いくら希少な生き物を育てるためとはいえ、許されない行為となるでしょう

今回はまだ自然が豊かで、何万、何億というおたまじゃくしが生息している中から、それでも干上がりそうな場所にいた個体のみを採集してきました
それは自分の中でいくら希少な生き物を育てるためとはいえ、これだけ多くの命を奪うことにはそれなりの罪悪感を感じたからでありました

しかし、不用意な飼育記を掲載すれば、その部分だけをご覧になられた方が絶滅しそうなほど少ない地域個体群(その場所独自に進化し続ける可能性があるので同じ種であっても絶滅は生物多様性の見地からすれば非常にマイナスとなる)を狙ってしまうこともあり得るわけです

そうなってしまっては、おいらの意図する命の大切さ、つまり“命を粗末にしないこと”を伝える前に、絶滅を助長することになってしまうことも考えられたのでした

 ─── というのが今回公開を取りやめることにした理由の全容です


ここまで包括的な見地から物事を見て行かないと、情報の垂れ流しは大変危険なことにも結びつく、ということですねw
これはなかなか難しいことではありますが、今後も日々精進しながら生き物の観察・飼育を続けて行きたいと思います


読者のみなさまには、予定とは変わったことを再度お詫び申し上げますm(._.)m ペコリ

最後になりますが、相談させていただきましたみなさま、本当にありがとうございました


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